誠実な繊維企業に惹かれて──ニッケ株を持つ理由

投資

先日、日本毛織株式会社(ニッケ)から株式関係書類が届きました。ニッケは創業1896年という長い歴史を持ち、繊維業界の中でも独自の立ち位置を築いてきた企業です。株式市場ではPBR0.97倍、PER13.49倍、配当利回り約2.68%という堅実な指標を示しています。書類を整理しながら、改めてこの企業の姿勢や魅力について考えました。


📊財務指標と株主還元(2025年8月28日時点)

項目内容
銘柄名日本毛織株式会社(ニッケ)
証券コード3201
株価1,565円
一株当たり配当金(予想)42円
配当利回り約2.68%(=42円 ÷ 1,565円)
一株当たり純利益(EPS)116.01円(2025年11月期会社予想)
PER(株価収益率)約13.49倍(=1,565円 ÷ 116.01円)
一株純資産(BPS)1,609.86円(2024年11月期実績)
PBR(株価純資産倍率)約0.97倍(=1,565円 ÷ 1,609.86円)

配当利回りは安定的で、PBRの低さからは割安感も感じられます。PERは適正水準で、過度な期待ではなく、堅実な評価がされている印象です。


🧵ブランド哲学と事業の広がり

ニッケは、毛織物やユニフォーム素材の製造・販売を中心に、学生服素材では国内トップシェアを誇ります。
近年では、アウトドア向けニット製品の拡販や、介護・不動産・スポーツ施設などの「人とみらい開発事業」にも力を入れており、繊維業にとどまらない多角的な展開が特徴です。

  • 学生服・ユニフォーム素材:品質と信頼の象徴
  • アウトドアニット製品:新たな市場への挑戦
  • 介護・不動産・地域施設:地域との共生を目指す事業展開

製品やサービスの背後には、「人と社会に寄り添う」という企業哲学が感じられます。


🎁株主優待──地域とつながる贈り物

ニッケの株主優待は、100株以上を1年以上継続保有した株主を対象に、クオカードと自社グループ施設で使える割引券が贈られます。
保有株数に応じて優待内容が変わるため、長期保有と積み重ねが報われる設計になっています。

保有株数保有期間優待内容
100株以上1年以上クオカード1,000円分
1,000株以上1年以上クオカード1,000円分+株主優待割引券3,000円分
3,000株以上1年以上クオカード1,000円分+株主優待割引券5,000円分
5,000株以上1年以上クオカード1,000円分+株主優待割引券7,000円分
10,000株以上1年以上クオカード1,000円分+株主優待割引券15,000円分

📌補足

  • 優待の権利確定日は「毎年5月末」。
  • 割引券は、ニッケグループのカタログ商品(衣料品・寝具・食品など)や、直営施設(ゴルフ・テニス・温浴施設など)で利用可能。
  • クオカードには、ニッケのマスコット「うーるん」が描かれており、企業とのつながりを感じられるデザイン。

🧠市場評価とのバランス

ニッケの株価は、安定した業績と堅実な財務体質に支えられていますが、PBR0.97倍という水準からは、“静かに割安な企業”という印象も受けます。


💬結論──感情と投資の交差点

繊維という伝統産業の中で、誠実に事業を続けながら、地域社会とともに歩む姿勢に惹かれました。
配当利回りの安定感と、優待を通じて企業の温かさに触れられることも、長期保有の安心感につながっています。

数字だけでは語れない企業の“厚み”に触れたとき、投資は単なる資産運用ではなく、企業との関係性を育む行為になるのだと、改めて感じました。

ニッケグループ
「ウールのニッケ」から“人と地球に「やさしく、あったかい」企業グループ”へ。ニッケグループは共通の経営理念・経営方針で統一された事業複合体です。