先日、豊田自動織機(6201)の配当金を受け取りました。今回は、第147期の配当内容を中心に、同社の配当方針や今後の投資戦略について整理しました。
豊田自動織機の企業概要
項目 | 内容 |
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設立 | 1926年(大正15年)11月18日 |
本社所在地 | 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 |
代表者 | 取締役社長 伊藤浩一 |
資本金 | 804億円(2024年3月31日現在) |
売上高 | 3兆3798億9100万円(2023年3月期) |
従業員数 | 74,887名(2023年3月31日現在) |
豊田自動織機は、フォークリフトやカーエアコン用コンプレッサーの分野で世界トップシェアを誇り、物流や自動車関連の技術革新を推進しています。
豊田綱領(社是)
項目 | 内容 |
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誠実な業務 | 社員全員が誠実に業務に取り組み、社会に貢献する |
技術革新 | 研究と創造に注力し、時代の変化に先駆ける |
質実剛健 | 華美を戒め、堅実な経営を行う |
温情友愛 | 信頼関係を重視し、温かい企業文化を育む |
報恩感謝 | 感謝の気持ちを持ち、社会との調和を図る |
基本理念
項目 | 内容 |
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公明正大 | 法令を遵守し、公正で透明な企業活動を実践 |
社会貢献 | 各国・地域の文化を尊重し、経済・社会の発展に貢献 |
環境保全・品質第一 | 持続可能な社会の実現に向け、環境保護と高品質な製品提供を推進 |
顧客優先・技術革新 | 時流に先んじた研究開発を行い、顧客満足を追求 |
全員参加 | 労使の信頼関係を基盤に、個々の能力を伸ばし、企業の総合力を発揮 |
2030年ビジョン
豊田自動織機は、世界の産業・社会基盤を支え、住みよい地球と豊かな生活、温かい社会づくりに貢献することを目指しています。
この理念をもとに、同社は技術革新と持続可能な社会づくりに積極的に取り組んでいます。
事業内容
豊田自動織機は、多様な分野で事業を展開しています。
事業分野 | 主な製品・サービス |
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繊維機械 | 産業用繊維機械、紡績機 |
産業車両 | フォークリフト、物流ソリューション |
自動車部品 | カーエアコン用コンプレッサー、電動パワーステアリング |
電子機器 | 半導体製造装置、電動モーター |
環境・エネルギー | 水素燃料電池関連技術 |
配当金の内容
第147期の年間配当は240円で、以下のように構成されていました。
銘柄名 | 証券コード | 一株当たりの配当金(第147期) | 配当利回り |
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豊田自動織機 | 6201 | 240円 | 1.5% |
内訳としては、
- 中間配当:100円
- 期末配当:140円
合計で240円の配当となります。
TOB(株式公開買付)情報
2025年、トヨタグループが豊田自動織機のTOBを実施し、非公開化を進める計画が発表されました。
TOBの概要
項目 | 内容 |
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TOB価格 | 1株 16,300円 |
買収総額 | 約4.7兆円 |
開始時期 | 2025年12月上旬予定 |
買収の目的 | 短期的な業績への影響を抑え、長期的な投資を可能にする |
トヨタ不動産の出資 | 約 1,800億円(議決権99.5%保有) |
トヨタ自動車の出資 | 約 7,000億円(議決権を持たない優先株) |
銀行融資 | 約 2.8兆円 |
背景と狙い
豊田自動織機は、トヨタ自動車の源流企業であり、フォークリフトや物流ソリューション事業を展開しています。
近年、海外ファンドから資産の有効活用を求められていたこともあり、非公開化によって経営の自由度を高める狙いがあります。
このTOBによって、トヨタグループ内での資本関係が整理され、物流やモビリティ分野での技術革新が加速すると期待されています。
TOBにより株式の長期保有終了
豊田自動織機の株式は、累進配当の魅力を感じながら長期保有を考えていました。しかし、今回のTOBによって、状況が大きく変化することになりました。
長年、安定した配当を受け取ることができ、投資のメリットを十分に享受できたことは、長期保有の価値を証明するものでした。そして、今回のTOBでは、プレミアム価格での利益獲得が期待できるため、結果的に良い形で豊田自動織機への投資を終えることができそうです。
市場環境の変化によって、投資戦略の見直しを迫られることもありますが、この経験を踏まえ、今後も企業の成長性と株主還元を重視した投資判断を続けていきたいと考えています。